2012'06.02 (Sat) 00:58
昔はよく読んでいたのですが
最近はさっぱり・・・
久しぶりに読んでみると
バーディがやっていたり・・・
その中で
1つの作品に目が留まりました。
「花もて語れ」
という新連載作品です。
朗読をテーマにした作品で
主人公は佐倉ハナ、社会人の女性です。
朗読教室に通いながら
ストリートでもライブをやったりしているようです。
読んだお話では
最近会えていない、朗読教室の友人に久しぶりに会います。
ハナは小さい頃に
朗読を教えてもらった先生に憧れており
その友人は先生のライブに参加するために
なかなか朗読教室に通うことができないようです。
久しぶりに会った二人。
友人はハナが先生に憧れているのをしっており
その話題を意図的に避けているようです。
さてさて、近況を語り合う二人・・・
友人は飲み屋でハナに朗読を聞かせてほしい
と言います。
ハナの朗読を聴いて
自分が想像していた解釈とは違うことに
ショックを受ける友人。
そして、ハナに対して彼女は
「とても、いい朗読だった」
「私たち、これからも友達でいようね」
というのでした・・・
この作品が目に留まったのは
親しみやすい絵もあると思うのですが・・・
それよりも・・・
・主人公が飲み屋でやった朗読の題材
・その朗読の主人公の解釈(その漫画表現)
・友人が衝撃を受けるシーン
・朗読を聴いた後の主人公と友人の間
というところに凝縮されております。
ここのシーンが癖になってしまって
何度も読み返してしまっているのですが・・・
主人公が使った
朗読の題材は金子みすずの詩の
「麦藁編む子の唄」です。
金子みすずは山口県長門市出身(当時は仙崎村)で
私の母親の出身地ということもあり
目に留まりやすい人物なのですが・・・
(祖父の一世代上の方になるのかな?)
ちなみに・・・
この詩は初めて見ました。
内容は・・・
私の編んでる麦藁は
どんなお帽子になるかしら。
紺青いろに染められて、
あかいリボンを付けられて、
遠い都のかざりまど、
明るい電燈に照らされて、
やがてかわいいおかっぱの、
譲ちゃんのおつむにかぶられる・・・。
私もついてゆきたいな。
という詩です。
漫画の中では
友人がこの詩には「憧れ」が出るんじゃないか?
と主人公に尋ねるように
読んでみると、私もそういう感情を抱いてしまいます。
ですが、主人公は「切なさ」を表現します。
(それに対して、友人は「憧れじゃない?」と質問をするのですが・・・)
そう解釈することがすごく面白く
そして、その「切なさ」の表現がすごかったのです。
さらには・・・
友人がそれを聞いた衝撃や
主人公に対して「友達でいようね」というシーン
が、すごく後味をひくような表現になっていて
ここの一連のシーンはとても面白かったです。
ハナが解釈したこの朗読の題材ですが・・
金子みすずさんの生涯や今の時代から大正・昭和初期を想像すると
こういう表現もできるのかもな~といろいろと考えさせられました。
もしかしたら、この切なさのコマに
三隅や仙崎の風景を遺伝子レベルで懐かしさを
感じてしまったのかもしれませんね(笑)
朗読を題材にする漫画ということで
朗読表現も絵になってしまうということにより
読み手にもわかりやすく解釈できるという楽しさもあると思いました。
これからも注目してみたい作品だな~。
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まとめtyaiました【金子みすず「麦藁編む子の唄」の朗読(ビックコミックスピリッツ「花もて語れ」 第2話「麦藁編む子の詩」感想)】