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悲劇の武将「上杉景虎」の敗北は日本の歴史を大きく変えた?(伊藤潤・乃至政彦「関東戦国史と御館の乱」洋泉社・歴史新書 感想)

1ヶ月ほど前でしたか・・・
新聞の広告欄を見ていると・・・

「関東戦国史と御館の乱」
という新書の広告を見つけました・・・


そこには
「関東統一政権」の夢を打ち砕いた重大事件の真相

という文章も書かれていました。

「御館の乱という面白い題材を使ってどういうことが描かれているんだ?」
と思い、早速、本屋さんで購入してきました。

内容がすごく面白かったため
一気に読破してしまいました。

簡単なあらすじと自分がちょろっと思った感想を
書いておこうと思います。





本書の主人公・・中心となるのは
「上杉景虎」という人物。

彼は関東の戦国大名北条家の出自ですが
後に上杉謙信の養子となった人物です。

当初、跡継ぎは
景虎になる予定でしたが・・・

北条との関係が悪化し
上杉家中を対北条へと向かわせるため
もう一人の養子である景勝が跡取りとして台頭してきます。

そんな時・・
上杉謙信は急死ししたため
景虎と景勝の間で跡継ぎ問題が勃発します。

それが「御館の乱」です。

結果として、景勝が勝利し、
上杉家は苦労しながら
豊臣・徳川の時代を迎えていきます。

今回取り上げる本では
その「御館の乱」が上杉家における跡継ぎ争いという意味合いだけでなく
もっと大きな・・政治的意味合いがあったということで
数多くの資料を元に検証していきます。

それは・・・「御館の乱」を
「関東戦国史における重大事件」
という視点で検証しており・・・

この「御館の乱」を契機に
北条・武田という関東勢力がより没落していき、
豊臣や徳川が容易に天下統一ができたと・・・

もし景虎が上杉の跡継ぎであれば
上杉・北条・武田という大連合が関東に樹立していた可能性もあったのでは?
ということが本書が訴える仮説となっております。




謙信の跡継ぎとなった上杉景勝。

彼は「御館の乱」が始まるまでは
景虎と協調していく方向であったのだが・・・・

しかし、
強大な織田信長などの敵と対峙するためには
謙信時代のような権力掌握術では太刀打ちができない。

信長という大敵に対抗するため、
強固な権力構造を築こうと思ったのですが・・
その権力構築プロセスがやや強引であったため・・・

従えるはずである国人領主から反抗にあう。

反抗した国人領主達は
景虎を担ぎだして「御館の乱」が勃発する
というストーリーとなっています。

また・・・

景虎はそのように反景勝武将達から担ぎ出された中で
出自である北条家、ゆかりがある武田家との協力を仰ぎ
景勝に対抗しようとした。

もし、景虎が勝利していたのであれば
関東の戦国大名の勢力図が大きく変わっていた可能性がある・・・







解釈できてない部分もあるとは思うのですが
メイン部分はこんな感じだったかな~と・・・


上杉謙信の対北条戦略が変更してきたところから
景虎は上杉の中で非常に厳しい立場に立たされまして・・・

それが最終的に
御館の乱にまで繋がっていくという感じでした。

全体を見てみると・・・
関東という大きくそして複雑な枠組みの中で
その環境下にさらされている上杉の中でも・・・

人間関係が非常に複雑であったという印象を
これまで以上に大きく受けました。


実は・・・上杉謙信という人物・・
織田信長や武田信玄に比べると、
非常にわかりにくい印象が私にはあります。

本人が少しミステリアスなのもあるでしょうが
それよりも、上杉を巡る内外の環境が複雑だったからというのも
わかりにくかった原因の1つなのかもしれないな~と思いました。

さて・・・
上杉謙信が家中の複雑な人間関係を苦労して掌握していたことや・・・

上杉景勝が信長に対抗するために
謙信の方法とは違うやり方で権力を構築していったこと・・・

実現はできなかったものの
上杉謙信が上杉景虎を跡継ぎ候補として導く過程と
御館の乱における景虎の立ち振る舞い・・・
(ここから、景虎が構築するであろう権力の形というものも見えてきます)


謙信・景勝・景虎・・・
三人のリーダーシップの方法というものが
この本の中から見えてきました。

そういう視点から見てみると
やはり景勝の志向が歴史の流れに乗るために必要であったと
(後付ですが)言えるのではないかな?と思います。

やはり、謙信や景虎のリーダーシップ(人治主義)の方法では
遅かれ早かれ、信長・秀吉・家康の誰かに破れていた可能性がありそうですね。

とはいえ・・・
実現できなかった景虎を活躍を想像する面白さというのも
盛り込まれていたのが読んでいて楽しかった部分ですね。






それにしても・・・

「天地人」でスポットが当たるまでは
私もあまり知らなかった「御館の乱」が・・・

実は大きな意味があった視点として
考えられるかも?という可能性にはビックリでした。

広告を見た瞬間に
雷に打たれた感覚に陥りまして・・・

「絶対に買うぞ~」と思って
難波のジュンク堂へ行きました。

いや~、本を購入して正解でしたね~。

読んだ後でも
若干強引なところもあるような感じは残っているのですけれど
数々の資料を元に検証しているので、納得ができるんですよね~


さらには
戦国でも結構端っこのところにスポットが当たっているというのが
歴史好きとしてはたまらないものがあります。

そういうことで
グイグイと本に引き込まれていきました。


ちなみに・・上杉景勝の軍師で
「天地人」の主人公である直江兼続については
ほとんど記述無しでした(笑)





私は人間の基本的な部分というものは
有史の中で、基本的な変化はないと考えているので・・・

歴史に対しては、
探求することや楽しむだけではなく・・・

現代における人間や社会を理解するためのツールとして
付き合えればいいな・・と考えている部分があります。

本書では・・主として、
上杉家を取り巻く複雑な政治状況や複雑な人間関係について描かれており・・

私は上杉家のようなことというのは
現代社会・組織においてもありうるお話だと思いました。

どのように組織を統制し、目的を達成していくのか・・・
また外部環境と調和・対立して自分の組織を維持・発展していくか・・

例えば・・・
謙信が国人領主連合から、抜け出すためにいろいろと行ったこと・・・
それは現代社会においても、通ずる部分(心理状況などなど)
というのは多くあるのではないかと思いました。

他にも
景勝、景虎の行動からも見えてくる点はあると思います。


そういう視点から見ると、
今回の本から学ぶところは多かったのではないかと思いますし
今後もいろいろなことを考えるときの参考になるかな?とも思いました。

というわけで・・・

人間社会のいろいろな物事を理解していくための1つのケースとして
本書で取り上げられていた上杉家(にかかわる多くの人・組織)というのは参考にできるのかな~と
思えたことがもっとも大きな収穫だったかな?


そして・・

信長や秀吉、家康・・
他には大河ドラマでスポットが当たった人(例えば直江兼続)
のような人よりも・・・

今回の景虎のような・・
下手をしてしまうと歴史の片隅に追いやられてしまっている人にスポットを当てて
歴史を見ていったほうが、私が望むようなツールとして使えるのでは・・・?

とも、思ってしまった1冊でしたね。

本当に面白かったと思います。


関東戦国史と御館の乱 ~上杉景虎・敗北の歴史的意味とは? (歴史新書y)
関東戦国史と御館の乱 ~上杉景虎・敗北の歴史的意味とは? (歴史新書y)

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